2014年10月6日月曜日

日足で実体の割合の高い通貨ペアはあるか

通貨ペアによって、一方通行になりやすかったり、行ったと見せかけて結局元の水準に戻りやすかったりという違いがあるのではないかと思ったのがきっかけで、複数の通貨ペアに対し、日足の長さ、実体の長さ、日足全体における実体の割合についてデータ分析してみた。
例えば、ローソク足に対して実体の割合が小さければ、それは行ったり来たりしながら結局元の水準に戻ったケースが考えられるし、逆に実体の割合が比較的高い通貨ペアであれば、1日の中でトレンドが出やすい通貨ペアと考えられる。これらのいずれかの特徴を持つ通貨ペアが見つかれば、たとえば順張り、逆張りなど、トレードに生かせるかもしれない。
以下、この点についての分析の記録。
ちなみに、この疑問に対する結果だけを書くと、「見つからなかった」。

使用データ
ブローカー: FXCC
通貨ペア: USD/JPY, USD/CAD, NZD/USD, GBP/USD, GBP/JPY, EUR/USD, EUR/JPY, EUR/AUD, AUD/USD, AUD/JPY
期間: 2007.01.02~2014.10.03
タイムフレーム: 日足
本数: 2044本、ただしEUR/USDは2017本(日足データ欠損)

分析に使用したスプレッドシートはこちらでダウンロード可。

方法と結果
各通貨ペアの各日足に対し、「始値と終値のpips差(実体の長さ)」と「高値と安値のpips差(日足全体の長さ)」を求め、その両者に対して月別平均を求めた。それぞれのシート名は 1d_O-C、1d_H-L。
次に上記で求めた各通貨ペアの各月の日足実体長さ平均を、日足長さ平均で割り、月別の実体割合を求めた。シート名 1d_OC-HL。
それをグラフ化したのがこれ↓
日足における実体の割合の月次推移
わけがわからないよ!ということで同様の処理を今度は年別に行ってみた。シート名 1d_O-C_year, 1d_H-L_year, 1d_OC-HL_year。
それをグラフ化したのがこれ↓
日足における実体の割合の年次推移
今度はまともに見られるグラフになった。結果、今回の対象通貨ペアでは、際立って実体の割合が大きいまたは小さい通貨ペアはなかった。
一応、月別のデータで分散分析をしてみたが有意確率pが約7.9%と、微妙な結果だった(対象ペアの中で、もっとも違いがありそうな2ペアを取ってみても、「違いがあるかもしれない」程度の結果)。シート名 1d_OC-HL_anova



通貨ペア別ではなく、先ほどの年次推移グラフを全体として見てみると(一応、グラフでは黒線が平均)、2007年、2008年は実体割合が高かったがその後は0.5をやや下回る程度で推移。「昔はトレンドの出る日が多かった・・・」ということか。

なお、最初の月次推移のグラフはごちゃごちゃで意味不明だったが、直近1年の月次推移は以下のとおり(シート名 1d_OC-HL)
日足における実体の割合の月次推移(直近1年)
これでもごちゃごちゃしているが、今年9月に入って実体の割合が高くなっており、1日の中でトレンドが出ることが多くなったと言える。
※9月に入って(誰もが体感している通り)各ペアで値幅が出てきているが、このグラフの結果はそれとは別に、日足全体に対する実体の割合も高くなっていることを表している。日足の長さと実体の割合の関係についてはまた後日。

なお、実体割合を出す過程で求めた、日足の長さの年別平均と、実体の長さの年別平均のグラフも以下のとおり
(シート名:順に 1d_H-L_year, 1d_O-C_year)


日足の長さの年次推移
日足実体の長さの年次推移
「昔は値幅があって良かった・・・」という結果。また、2013年もアベノミクスで特に円ペアの値幅が著しく上昇している。



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