2013年10月20日日曜日

PIVOT検証第2弾

※これは2013.10.20に自分の旧ブログに書いたものです。

前回のPIVOT検証ではPIVOTは跳ね返りやすいとはいえない、という結論に至った。
ただ、大雑把な検証だったので今回はより詳細に検証してみた。
  • 検証に使用したペアはユロドル
  • 期間は2013.04.01-09.27(サマータイムの約半年間)
  • サーバー時間はGMT+3(サマータイムはこの設定で日足5本になる)
  • デイリー
この条件のもと、
・反発と抜けの判定pipsを変えたり、
・ピボットポイントに接触したとみなす範囲(ピボットポイントから±1pipなど)を変えたり、
・一度使用したピボットポイントはその日の内は再び使用しないようにしてみたり、
・取引時間を東京、欧州、米国で変えてみたり、
・使用するピボットポイントを限定してみたり(S3,R3は使用しない、など)と、
色々変化させて、実際のピボットとは値をずらした比較用の偽のピボットと比較してみたが、結果に差は見られなかった(一応、色々とパラメータを変えると本物の結果が一番良くなるようにもできるが、これはただのカーブフィッティング)。
なお、前回の検証時に結果が良かったドル円、ポンド円も期間を長く取ったら全然だった。

このことから、少なくともピボットは単純な「反発しやすいポイント」としては使用できないと言える。
まあ、考えてみれば至極当たり前で、もし単純に反発しやすいのなら簡単なEA作れば(もしくは裁量でも)誰でも億万長者だし。
とはいえ、まったく役に立たないと結論付けるのは性急で、他の何らかの条件・パターンと組み合わせた場合に違いが出る可能性はある。また、反発以外の目的で使用できる可能性もある。


それでもやはり、普段チャートに表示させているとよく跳ね返っているように見える。
これは気のせいなのだろうか、それとも脳はEAでの検証に落とし込めていない何かを感じ取っているのだろうか?
これを調べるため、本物のピボットを表示させたチャート1つと、わざと一定幅(+20, +10, -15pips)ずらしたピボットを表示させたチャート3つをシャッフルして並べてそれぞれ別の期間を表示させ、正しいものを当てられるかテストしてみた。


こんな感じ
各チャートをそれぞれ2~3か月分くらい見てみたが、結果は全然ダメ。やっぱりどれもそれなりに機能しているように見えてしまう。
そんなわけで、少なくとも今の自分にはピボットは優位性をもたらさないことがわかった。
ただ、今はまだ優位性に気づいていないだけかもしれないので一応表示はさせておく。


2013年9月21日土曜日

「手法は何でもいい」

※これは2013.9.21に自分の旧ブログに書いたものです。

成果を上げている人のブログなどを見ていると、よくこういったことが書いてある。また、「1つの手法を徹底的に研究・練習」、「自分なりの手法に仕上げるのが重要」といったようなことも。

これまでは「手法は何でもいい」について、例えば100ある手法のうち実際に優位性があるのは10くらいだが、その10のうちなら「何でもいい」、と捉えていた。その「既に優位性のある手法」が見つかれば、あとはそれに自分なりの微調整を加えるといった程度に。
しかし、最近別の解釈も考えるようになった。
もしかしたら、はじめの手法は「本当に何でもいい」のではないかと。
そのはじめの手法そのものには何ら優位性はなく、その後の練習によって、そのはじめの手法とは独立したより普遍的な優位性のある手法、もしくはそのはじめの手法が適用できる状況下で優位性を生む手法を身につけてゆくのかもしれない。

例えばPIVOT。先日の検証ではPIVOTそのものに「反発しやすい」という特徴は見られなかったが、実際成果を上げている人でピボットを使っている人も少なからず見てきた。もちろん検証結果は暫定的なものであり、本当に「反発しやすいとはいえない」かどうかはまだまだわからない。もっと緻密に、様々な条件で検証を行う必要があるが(「差がない」ことを示すには「差がある」ことを示すよりずっと大変)、ひとまず話を進めるために仮に、「ランダムに引いた水平線とピボットポイントとでは、反発の確率に差がない」とする。
そう仮定した場合に、ではなぜそれで勝てる人たちがいるのかを考えるに、もしかしたらそういう人たちは、こっそりピボットの計算式をデタラメなものに変えてしまっても、やっぱり勝ててしまうのかもしれない。つまり、ピボットとは独立した、どのような状況でも通用する普遍的なエントリーとイグジット(もしくはそれらを含む総合的な判断)を、チャートの研究と練習の過程で身につけているのかもしれない。
もしくはそこまで普遍的とは言わないまでも、練習を通じて、ピボットに関連する反発確率以外の特徴(ピボット周りやピボット間における勢いや動きなど?)にマッチするような手法を編み出しているのかもしれない。そう考えると、ロンドン時間のサーバーでもNY時間のサーバーでもピボットを使って利益を出している人がいるのが納得できる。一般的に言われているような大雑把な「跳ね返りやすい」とかではなく、それぞれのサーバー時間によるピボットに固有の、微妙な特徴を恐らく膨大な練習を通じて捉えているのはないか。

こう考えると、上記の、「手法は何でもいい」、「1つの手法を徹底的に研究・練習」、「自分なりの手法に仕上げるのが重要」のすべてに合致すると思う。

ま、実際自分は全然勝てていないので、勝てている人の考えを推測したところで実はまったくの的外れなのかもしれないけれど。

2013年9月20日金曜日

PIVOT は反発しやすいか

※これは2013.9.20に自分の旧ブログに書いたものです。

ピボットを使っている人は多いと思うし、そうであればやはり意識されやすいはずだし、実際ピボットの各種ラインで結構反発しているようにも見える。
でももしかしたら単なる思い込みかもしれない。
まあ、多くの人が意識している以上それはないだろうけれど、一体ピボットはどれくらいの効果があるのだろうと思い、実際にMT4でEAを作って検証してみた。

作成したEAの概要
各Daily Pivotポイントと現在のBidを比較し、Bidより下にあるポイントでは、各ポイントの2pips上までbidが下がってきた時に買い注文を入れられるように、各ポイントの2+spread分だけ上に指値買いを置く。損切り、利食いはそれぞれオーダー位置から15pips動いた箇所。
同様にBidより上にあるポイントでは、各ポイントの2pips下に指値売り。損切り、利食いもエントリーの箇所(ポイントの2pips下)から15pips動いた箇所。具体的には損切りは「ポイント-2+15+spread」、利食いは「ポイント-2-15+spread」
※±2pipsは、ポイントに微妙に届かないで反転するケースも捉えるため。15pipsは、これくらい戻れば概ね「反発した」といえるかと。

各ポイントには異なるマジックを設定し、そのマジックでの待機・オープンポジションいずれも存在しない場合に上記の通り指値を入れる。
23:30にすべての指値注文を解消し、0:30に新たなpivotポイントでの指値を入れる

例えば、価格がR1とR2の間にあり、上昇してR2の2pips下まで来たら反発を見込んでショートエントリー。そこから上下いずれかに15pips動くまでは、仮に少し離れてまたR2に戻ってきても新たにポジションは取らない。15pips以上下降して利確すると、またR2の下2pipsの位置に指値売りを置く。
逆にエントリーから15pips以上上昇して損切りになると、今度はR2の上2pipsの位置に指値買いを置く。

テスト環境
通貨: EUR/USD
テスト期間: 2013.05.23 - 2013.09.19現在
サーバー時間: GMT+3
(サーバー時間が違えばピボットの値も変わるが、このGMT+3がメジャーらしい)
モデル: 1分足の open prices only
スプレッド: 0.1pips

結果



501回のトレード中、反発して15pips以上戻ってきたのが254回、反発せずに(しても15pips未満で)ポイントをまたいでエントリーから15pips以上進んでしまったのが247回。

・・・思いっきり五分五分。こんなはずでは。。。

もしかしたらピボットだと反発するかどうかは五分五分だが、それ以外の適当な箇所を基準にしたらそもそも五分五分ではないのかもしれない。
言い換えると、まったく無作為にショートすれば勝率50%だが、今回ショートするのはすべて「下から上がってきた場合」であり、任意の場所でショートした場合でもそもそも勝率50%にならないのかもしれない。例えば一方通行に進む傾向が強ければ、任意の場所で逆張りすれば勝率は50%に満たないだろうから、そこで「ピボットだと50%」は意味があることになる。

そんなわけで、実際のピボットポイントから一定の値だけずらした偽のポイントを元にエントリーするようにし、また、ついでに反発を判定する幅も15pipsではなく色々変化させてみた。更に期間も前半(2013.05.23-2013.07.22)と後半(2013.07.23-2013.09.20)に分けて比べてみた。

その結果がこちら
全期間
前半
後半

縦軸は反発の判定幅、横軸は本来のピボットからのズレ
白は勝率50%以下、緑は濃いほど儲けが大きい

うーん、「ピボットvsそれ以外」の違いは見いだせない。。。


他にもとりあえずドル円、ユロ円、ポンド円、ポンドドルでも少し試してみたところ、ドル円とポンド円ではちょっと勝率が高く、あとはほぼ50%。そのドル円とポンド円の結果も、取引回数が少ない(ユロドル以外は2013.07.17~)のでたまたまの可能性大だけれど、後で時間があるときにもっといじってみる。とりあえずドル円とポンド円の結果は以下のとおり。


USD/JPY
GBP/JPY
もちろん、この結果をもって「ピボットは無意味!」と断定するつもりはないし、反発以外の、例えばポイント付近での動きとか別のところで違いはあるのかもしれないけれど、少なくとも期待していたような「ピボットでバリバリ反発」というわけでもなさそうだ。